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世界のコーヒー15選。産地で変わる味と、国ごとに違う飲み方

同じ豆から、これだけ違う一杯ができる。

コーヒーの産地名がずらりと並んでいると、どれを選べばいいのか分からなくなります。名前を覚えるより先に、選ぶ軸を持っておくほうが早いです。

大きく言えば、産地の違いは「酸味が前に出るか、苦みとコクが前に出るか」に集約されます。アフリカの高地は前者、東南アジアは後者、中南米はその中間。まずこの三つの方角を押さえて、あとは好みで寄せていけば失敗しません。この特集では、その軸に沿って産地を並べ、最後に「そもそも飲み方が違う」国の一杯を添えました。

キリマンジャロのドリップバッグのイメージイラスト
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タンザニア

キリマンジャロのドリップバッグ

最初の一品はこれを。器具を買う前に産地の味を確かめたいなら、一杯ずつの小袋がいちばん確実です。カップに掛けて湯を注ぐだけで、豆を量る道具も要りません。産地の違いを試すのに向いた形なので、気に入った産地が見つかってから器具をそろえても遅くありません。

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キリマンジャロ(タンザニアAA・焙煎豆)のイメージイラスト
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タンザニア

キリマンジャロ(タンザニアAA・焙煎豆)

ここから産地。まずはアフリカの高地から、日本でいちばん名の知られたキリマンジャロ。すっきりした強い酸味と、冷めるにつれて出てくる甘い余韻が持ち味です。AAは豆の大きさによる等級で味の順位ではありません。なお日本ではブレンドにもこの名が付くので、産地の味を確かめるなら「タンザニアAA」の表示を目印に。

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ケニアAA(コーヒー豆)のイメージイラスト
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ケニア

ケニアAA(コーヒー豆)

同じアフリカでも、ケニアはもっとはっきりしています。ベリーや柑橘を思わせる強い酸味と、飲みごたえのあるコク。酸味が「すっぱい」ではなく「果実の味」として立つのがこの産地です。浅めに焼いたものを選ぶと持ち味が出ます。コーヒーの酸味が苦手だと思っている人こそ、一度試してみてください。

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イルガチェフェ(コーヒー豆)のイメージイラスト
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エチオピア

イルガチェフェ(コーヒー豆)

エチオピアはコーヒーの原産地とされる国。なかでもイルガチェフェは、レモンや花を思わせる華やかな香りで知られます。他の産地と並べて飲むと、香りだけで違いが分かるほど個性的。現地には来客にコーヒーを丁寧に淹れてもてなす習慣があり、この国では嗜好品というより暮らしの一部です。

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エチオピアモカ(ハラー/シダモ)のイメージイラスト
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エチオピア

エチオピアモカ(ハラー/シダモ)

同じエチオピアでも、こちらは「モカ」と呼ばれる系統。名前の由来は紅海に面したイエメンの積み出し港で、そこから運ばれた豆がヨーロッパでモカと呼ばれるようになりました。だからエチオピア産にもイエメン産にもこの名が付きます。ハラーやシダモは実を果肉ごと乾かして作るため、ワインやベリーを思わせる甘い香りが出ます。チョコレートと合わせると香りが重なります。

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モカマタリ(焙煎豆)のイメージイラスト
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イエメン

モカマタリ(焙煎豆)

そのモカという名の由来になった港が、対岸のイエメンにあります。マタリは西部の山岳地帯バニーマタルの一帯で採れる豆で、実を果肉ごと天日で干す昔ながらの作り方。粒は不揃いで見た目は素朴ですが、味は華やかで野性的な甘さが立ちます。エチオピアのモカと飲み比べると、同じ「モカ」の名で呼ばれてきた理由が分かります。

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グアテマラ・アンティグア(コーヒー豆)のイメージイラスト
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グアテマラ

グアテマラ・アンティグア(コーヒー豆)

ここから中南米。三つの火山に囲まれたアンティグアの谷は、グアテマラでいちばん名の通った産地です。チョコレートを思わせるコクの奥に、明るい酸味と花のような香りが立ちます。アフリカほど酸味に寄らず、東南アジアほど苦みに寄らない——どちらに進むか迷ったときの基準になる一本です。

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ペルーのコーヒー豆(アンデス高地産)のイメージイラスト
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ペルー

ペルーのコーヒー豆(アンデス高地産)

同じ中南米でも、ペルーはアンデスの斜面に小さな農園が散らばる国です。有機栽培のものが多く、値段のわりに質が良いのが持ち味。やわらかい酸味とナッツのような甘さで角が立たず、毎日の一杯を少し良いものに替えたいときに向いています。産地名では「マチュピチュ」「ウルバンバ渓谷」と書かれたものをよく見かけます。

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コロンビア・スプレモ(コーヒー豆)のイメージイラスト
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コロンビア

コロンビア・スプレモ(コーヒー豆)

コロンビアは、日本の喫茶店のブレンドを長く支えてきた産地です。スプレモは豆の大きさによる最上位の等級で、こちらも味の順位ではありません。酸味と甘みのバランスがよく、癖がないので毎日の一杯に向いています。産地から選ぶのが面倒な日は、これを常備しておくと外しません。

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ブルーマウンテンNo.1(コーヒー豆)のイメージイラスト
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ジャマイカ

ブルーマウンテンNo.1(コーヒー豆)

名前だけは知っている、という人がいちばん多い銘柄かもしれません。ジャマイカの限られた山域で採れる豆で、生産量が少なく価格も高め。味は突出した個性ではなく、酸味・苦み・コクがどれも角を立てずに揃っている点にあります。日本市場と結びつきが強く、贈りものとして選ばれることの多い一本です。

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コナコーヒーのイメージイラスト
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アメリカ

コナコーヒー

ハワイ島コナ地区の斜面で採れる、こちらも生産量の少ない豆。やわらかい酸味と、ナッツのような甘い香りが特徴です。買うときの注意が一つ。「コナブレンド」は少量しか含まないことがあるので、産地の味を確かめたいなら「100%コナ」の表示を探してください。値段が大きく違うのはそのためです。

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マンデリン(スマトラのコーヒー)のイメージイラスト
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インドネシア

マンデリン(スマトラのコーヒー)

東南アジアに移ると、味の方角が変わります。スマトラ島のマンデリンは酸味がほとんどなく、どっしりした苦みと土のような重いコクが前に出ます。現地独特の乾かし方が、この個性を生んでいるとされます。コーヒーの酸味が苦手な人、ミルクに負けない濃さがほしい人はここから始めるのが早道です。

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ベトナムコーヒー(フィン付き)のイメージイラスト
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ベトナム

ベトナムコーヒー(フィン付き)

ここからは飲み方が違う一杯。ベトナムは世界有数のコーヒー生産国で、苦みの強いロブスタ種を深く焙煎します。金属フィルター「フィン」をカップに載せ、時間をかけて一滴ずつ落とす。下に練乳を沈めておき、落ちきったら混ぜる——濃い苦さと甘さが噛み合う、暑い国の飲み方です。

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イポー・ホワイトコーヒーのイメージイラスト
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マレーシア

イポー・ホワイトコーヒー

マレーシアのイポー発祥。白いのは色ではなく焙煎方法のことで、マーガリンを加えて低い温度で焼くため、焦げ苦さが出ずまろやかに仕上がります。現地では練乳を入れて飲むのが定番。粉末のインスタントとして売られていることが多く、湯に溶かすだけで屋台の甘い一杯が再現できます。

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トルコ

トルココーヒー(挽き粉)

締めは、器具のいらない一杯を。トルココーヒーは小麦粉のように細かく挽いた粉を、水と一緒に小鍋で煮立てるだけ。濾さないので粉がカップの底に沈み、飲み終えたら数分置いて上澄みをすすります。砂糖は淹れる前に鍋へ入れるので、甘さは最初に決めます。挽きが細かすぎてドリップには使えないので、粉のまま買ってください。

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